クトゥルフシナリオ制作

<朽木失踪イベント>


<屋敷を訪ねる>

屋敷を訪ねると電気も何もついていない事が分かる。

玄関から侵入する場合は、鍵が掛かっているので<鍵開け>が必要である。

まあ、窓から侵入するとか、色々出来ると思うので、なんか良さげなアイデアがあれば、よろしく。

中も同じように真っ暗であるが電気は付けようと思えば付けれる。

※シナリオの都合上、夜中に行ってくれないと困る。(地獄の植物が死ぬ)

警察を昼間は徘徊させてもらえると牽制にはなるかな?


・キッチン

台所と食事をとるための机とイスが置かれた部屋である。部屋の右側に木製のドアがある。(リビングのドア)

<目星>

綺麗に使われたキッチンでマメな人間が掃除をしているんだなと感じる。


・リビング

大きな液晶テレビやソファが置かれた部屋で壁には、写真や絵が飾られており、高級感のある部屋だと感じる。

<目星>

机に最近使われたと思われる腹痛の薬の空箱がある。

朽木が服用していたものである。


・研究室

研究室には、壁を覆いつくすようにびっしりと収納された本棚やいくつもの植物に関する文献の、種のサンプルや顕微鏡などが置いてある。壁際には、カーテンに覆われた棚がある。

<目星>

入って突き当りの本棚には基本的に大量の本があるのだが、左側は、まだ半分ほどしか埋まっていない。そんな光景になんとなく目が行った探索者は、本棚に収納された手帳を見つける。

朽木の手記

私は、あの奇跡の植物に出会った。この世のものとは思えない植物だが、あの急激な成長速度は、他の植物に遺伝子を組み込めば、とんでもない発明が出来るのではないだろうか。

例えば、トマトを植えればすぐに成長しトマトが出来る。そんな植物の可能性だ。

研究にとりかかってみると何人もの犠牲者が出始めた。やはり、その対策が先か・・・

優良種の掛け合わせと言うものがあるが、優良種と優良種を組み合わせれば、より優秀な個体が出来上がるという事だ。その逆に劣等種を混ぜていけば、弱体化させることも可能だろう。

新しい植物が生まれた。少し弱体化させた個体だが、成長速度は、母体と同程度まで近づける事が出来た。もう、アレは用済みだ。

しばらく、研究を進めているが、致命的な欠陥を修復する事が難しい。

新しく二葉という大学時代の後輩が教団に入った。あいつも遺伝子の研究をしていたはずだ。勧誘してみよう。


二葉が研究に参加する事になった。あいつは、紛れもなく天才だ。そう確信している。俺の研究を数日で飛躍的に進めた。なぜ、こいつが教団に入ったかと思っていたが、こいつの才能に嫉妬した奴らがいたのではないだろうか。確かに嫉妬心を抱いてしまいそうな才能だ。

副産物として、人に植える種が出来た。相変わらず致命的な欠陥を持ってはいるが、逆に今回は、それが功を奏したといった感じだろうか。

正義感の強い二葉には、この種を教団幹部に流しているなど知らしてはいけないな。

岡崎を殺すように命令が来た。あの種を使うのが良いだろうか。

岡崎も馬鹿な奴だ。教団を抜けるなど言い出さなければ死ぬこともなかっただろうに・・・

予定外の事態が起こった。まさか、目撃者がいるとは思わなかった。

だが、目撃者にも同様の処置を行った。誰かに言ったところで狂言扱いされるのが関の山だろう


分かりづらいので、簡単に説明すると本棚は、階段を隠すために設置されており、青い本棚には、目星で分かる通り、本が少なく動かす事が可能です。

朽木は、この本棚を動かし、地下へと向かっていたのです。


中をのぞくと地下へつながる階段がある事が分かる。

階段を下りれば最終イベントが発生する。

最終イベントは最後に記載



<資料室>

床が抜けそうなほどのいくつもの本が本棚に収納されている。

<図書館>に成功すると雑多な本が多い印象を受けるが、その一部に気になる本を見つけた。

プランタ・タルタリカ・バロメッツ

木はヒョウタンに似ているものの、ヒョウタンとはまったく違う特徴がある。まず、引っ張っても曲がるだけで折れない、異常な程柔軟な茎をもっている。そして、時期が来ると実をつけ、これを採取して割れば中から子羊が収穫できる。ただし、この子羊は肉と血と骨を持っていても、生きていない。しかしながら、実が熟して割れるまで放置しておくと、生きたまま羊が顔を出す。鳴き声は「ぅめー」。そして、茎と繋がったまま、木の周りの草を食べて生きる。しかし、草がなくなると、やがて飢えて木とともに死んでしまうのだと言う。近くに畑がいると食い散らすそうだ。バロメッツの周りにはこの死んだ羊がある時期に集中して山積みになる。それを求めて狼や人があつまって来るのだと言う。この羊は蹄まで羊毛なので無駄な所がほとんど無く、寧ろその毛は金色なので、重宝された。肉はカニの味がするらしい。

<朽木の部屋>

机とベッドが置かれただけの部屋だ。

<目星>

生活感があるものの本当に寝て起きるだけの部屋だったのではないかと感じさせる。


客間1 ※この部屋は二葉が使っていたものである。


入ろうと扉を開いた瞬間、鉄臭い匂いが広がる。扉を開いてしまったあなたの目の前には、一人の死体が目の前に現れるだろう。いや、もはや、それが人としての形を成していないのだ。普通の人間が見れば、それが人の死体であると気づくのに数秒の時間を要するだろう。

しかし、探索者達は、知っている。部屋中を飛び散る血も辺りに散乱した肉片、そして、ぐじゃぐじゃに引き裂かれた肉体が一粒の種によって行われた現象に非常に酷似している事に、何度見ても慣れることのない光景に探索者は唖然とするだろう。


SANチェック 1D3/1D6


部屋は辺り一面、真っ赤に染まっている。

パソコンの置かれた机、小さな本棚、ベッドが置かれている。死体は、窓際に倒れている。

パソコンを調べるとパスワードを入力しなければ開かない。

<コンピューター>を使えば開くだろう。

パソコンには、以下の内容が見つかる。


まさか、こんな事になるとは、思いもよらなかった。

人を殺す事のために研究をしていたなんて、許されていいはずない。

俺がなんとかして止めなければ・・・。

思考を整理するためにキーボードに打ち込むことにする。

あの植物を朽木の寝ている間に埋める事にした。種の研究は俺もしていたから盗むのはそう難しい訳じゃない。

それに埋め込むこと自体は、難しい事ではない。種には魔術が埋め込まれていて、生き物の中に入る様になっているのだ。

あの植物は、きっと神様のようなこの世ならざるものなのだろう。私は、あの神様と出会い色々な魔術と言うものを教えてもらった。

物を光らせる魔術を得た。他にも俺の身に余るような強力なものも教えられたが試す気にもなれなかった。メモを取ったが誰かの助けになるだろうか・・・

本当は、種を出す木から根絶してやりたかったが、どこにあるのかも下っ端の私には教えてもらえない。

私に埋め込んだ種も活性化しているようだ。今こうしている間は大丈夫だが、おそらく、眠ったら私は死んでしまうだろう。それでいい。人を殺したのだ。当然の報いだろう。

<目星>

死体の腕が何かを握りしめているのが分かる。

死体は、一枚の紙を握っている。

『光を灯す』魔法の方法が書かれている。


『光を灯す』

MPを1D6消費して物質を光らせる事が出来る。持続時間は、追加MP1につき10分間である。光を灯すを使用した時、探索者は、正気度を1失う。

本棚

本棚には、血がびっしり付いており、何の本かを調べるのには時間がかかりそうである。

<本棚>

『植物についての研究』

 私が研究に携わったこの植物には、特殊な性質がある。

 まず第一に成長速度である。この植物は暗闇に反応して数分でみるみる大きくなっていくのだ。

 そして、この植物は、光を嫌う。芽が出ないようにしたければ、常に光を浴び続ければいい。

光を浴びている間は、種は、宿主の体力を奪うだけで発芽する事はない。

 その代わり傷を負うと治らないので注意が必要である。

<ベッド>

ベッドの横にはラベルのない酒瓶がある。神の酒である。


倉庫

色々なものが適当に置かれている。

※やさしいKPは、ここでお助けアイテムをあげても良い。


客間2

特に何もない。元従業員の部屋


最終イベント

地下室

KP情報

この部屋は、植物の研究をするために作られた暗室である。

なので、視力を使う技能には-20%の補正がかかる。

ただし、暗視ゴーグルを着用している場合、マイナスはない。

朽木がいるが手には拳銃が握られている。理由としては、植物が急激に成長し自分を襲ってきた時のための護身用である。

朽木は種に体力を奪われており、非常に消耗している。

階段を下りると木製のドアがある。その横に一人分の暗視ゴーグルが掛けられている。

<聞き耳>を立てると何か物音が聞こえる。

ドアを開けるとそこは真っ暗な部屋だった。電気も切れているのか付かない。というよりもつかないように細工してあるのだろう。

暗視ゴーグルを付けている探索者は、部屋の奥に一人の人間がいる事に気付く。

あなたが気付いたのと同じタイミングでそこにいる人間もあなたの存在に気付き「誰だ? 誰の許可を得てここにいる!」と怒鳴って近づいてきます。その声にあなた方は聞き覚えがある。そう朽木の声である。

「お前たち、まだ生きていたのか。もう良い。ここまで来たという事は、我々の研究を知っているという事だろう。ここで死んでもらう。」そう言って朽木は、拳銃を取り出す。

戦闘開始 ※種を排除していない場合は、応急処置でも回復しない。

朽木ステータス

STR 14 CON 13 POW 12 DEX 14 APP 15 SIZ 13 INT 13 EDU 18

HP 5 MP 12

技能 

こぶし 55% キック30% 拳銃 30% 回避 30%

死亡・気絶判定の場合イベント開始

発芽イベント発生

急に朽木が苦しみだす。腹を抑えてなんどか唸ったそして、まるで、風船が破裂するように朽木の体が引き裂かれる。

辺り一帯に血肉が飛び散り、強烈な悪臭が辺りを包む。よく(辺りの見えない探索者もその事実が予感できるだろう。)

SANチェック 1D3/1D6 見えてない場合は、0/1D3で良い。しかし、懐中電灯など光源がある場合は正常値

唖然としている探索者達は、ある事に気付くだろう。

朽木の死体から何かが蠢いている事に

それは、一見して見れば、ただの植物だった。しかし、みるみるうちにそれは、急激に成長して人間と同じサイズにまで成長する。その枝、幹に目や唇のない口が牙をむきだしながらびっしりと埋め尽くされている。

人間と同じサイズにまで成長すると成長の勢いは少し収まるがゆっくりと成長していく。

SANチェック 1/1D10

倒す、逃げるを選択し、屋敷から出ると何故か屋敷が燃え始める。

屋敷は、見る見るうちに燃え上がり、建物が崩れていく

そして、遠くからサイレンの音が聞こえはじめる。※探索者は逃げることをお勧めする。

探索者が立ち去ろうとするその瞬間、ニャルの寵愛を受けている探索者の耳には「ふふふ」という笑い声が聞こえてくる。


後日談

その後、探索者達が逃走するなら別に警察に捕まる事もなく、無事に帰宅できる。

もし、警察が来るまで待っているのなら、放火と殺人の疑いで数日事情聴取を受けることになるだろう。(中には死体が発見されるからね)

※ただ、まあ、そこで捕まっても興ざめなのでなんやかんや理由を付けて生還エンドで良いと思います。

その後、転生教は、あの町から姿を消した。指導者を失って消滅したのか、また別のところで活動を始めるのかは、探索者は知る由もない。


KP様へ

以上がクトゥルフシナリオ「愛でるもの」のシナリオです。

今回のシナリオは、柊木神社をある程度怪しくしつつ、『転生教』が犯人だと発覚してもらうシナリオになってます。

なので、シナリオ上で柊木神社に注意を向ける情報も多く存在します。

その辺りを意識していただけるとより難易度が上がるかと思います。

クリア方法なのですが、

種の除去のために『呪文 光を灯す』で自身の体を光らせ種を殺すのが正攻法です。

しかし、『転生教』に入ったふりをして一泊すると朽木が種を抜き出してくれます。

その後、帰宅するなり、朽木の家を訪ねると問題なくクリアできます。

朽木と戦わないという選択肢もあります。

その場合は、朽木が死になんやかんやあってきっと地獄の植物も死んでしまうでしょう。


おまけ

<神社イベント>(BAD END確定)

おそらく、ほとんどありえないのだが、神社が実は黒幕だったと勘違いした探索者が神社に向かうと関係者以外立ち入り禁止だと言われはいる事が出来なくなる。

これは、柊木神社の伝統の儀式『退魔の儀』のためなのだが、非公開の方なので地元住民に聞かないと教えてもらえない。

そして、ニャルの寵愛を受けた探索者の後ろで「いまなら、まだ、大丈夫よ。」という声と共に何かが落ちる音がする。振り向くと足元には、マシンガンが落ちている。

FNP90 (サブマシンガン)

初期命中率 15 連射可能 ダメージ2D6 弾数50 耐久10 故障ナンバー 98

 サブマシンガンを拾った場合、探索者は、POW×3のロールに失敗すると疑心暗鬼に陥る。近づいてくる人間が怪物に変わり襲い掛かってくるように感じる。

POWの値だと分からない方が良いのでただ1D100を振らせると良いと思う。

これは、ニャル様が探索者に魔術をかけているのだがその抵抗のロールである。

 サブマシンガンを持っていると探索者の存在に気付いた男が探索者に近づいてくる。

抵抗に失敗した探索者は、男の手に持った箒が刃物のように見え、今にも襲ってくるように感じる。もし、ここで戦闘に入ってしまった場合、探索者は、神社の人間すべてが探索者を殺そうとしているように感じてしまう。

 逃げる選択肢を取った場合、しばらくの間、逃走するも探索者は、警察に捕まり、芽が出てしまい死亡する。

 他にも神社の人間を皆殺しにしてしまい。正気に返った探索者がSANチェックを行い

1D10/1D20の正気度を失い、芽が出て死亡する演出もあり。


死亡ルート

死亡する時は、体内に芽が残っている場合、発芽するのでその描写が必要である。

芽は、光を浴びると成長が止まるが、それまでは、際限なく成長し続けるため、脂肪の演出は、盛大にやると良いと思います。

・久津見との会話

久津見は、民俗学、主に昔の伝承などを調べている。そして、この土地でもそのような伝説「人苗花」と呼ばれる伝説を知っている。もうすでに、この神話を知る者はほとんどいない。図書館の民話を読んでその事実を知ったのである。

『人苗花』の伝説は、以下の通りである。

昔、多くの人間から植物が生えるという奇怪な現象が起こった。植物は、人間に種を植え付け苗床にし、栄養を吸収し急激に成長し、苗床にしていた人間を引き裂いて殺してしまうのだ。その事からこの植物を人苗花と名付けられた。

恐怖のあまり体を切り裂いて取り出そうとする者も現れたが、種を肉から取り外そうとすると発芽しようとするため、ほとんどの場合は死んでしまった。

この植物を恐れた村人は、この土地を納める神に救いを求めた。その結果、植物は、殺され村には平和が戻った。



・柊木神社

古くからこの村を納める比較的大きな神社である。山の上に建てられた神社である。柊神社の分家にあたり柊神社とは、かなり離れている。信仰している神は同じであるが、タケミカズチを主神として信仰している柊神社と違い経津主神(ふつぬしのみこと)を主神として崇拝している。

神社には、ご神体として日本刀が収められている。この刀自体は、無名の剣であるが、一族代々受け継がれている日本刀であり、書物には、この刀には、魔を払う力があると記述されており、現代でも信仰されている。

ご神体であるため、祭事にのみ見る事が出来る。祭事は2回あり一般に公開される「退魔の義」が行われ、その二か月ほど先に正式に公開されていない本来の「退魔の義」がある。

『退魔の義』では、鬼に見立てた人間を剣の舞いによって浄化するという筋書きである。

日を変えて行っているのは、本来、退魔の義は、神聖なものであり、身を清めたものしか入る事が許されないからである。

神社の多くには、滝があり、その裏には祠がある。そこに宝剣が収められている。

フツノミタマのレプリカである。

鳥居の奥には、関係者以外立ち入り禁止ですと止められてしまう。

神社の御利益としては、勝負・開運厄除 スポーツ振興 足腰健康 家内安全 交通安全などである。

※実在する柊木神社とは全くの無関係である。

古い石で造られた階段をかなり上がると大きな石造りの鳥居が見えてくる。

そして、鳥居をくぐると張り詰めた雰囲気のある神社にでる。煌びやかな造りではないが、凛とした趣ある神社には、数人の巫女と参拝客がいる。

おみくじやらお守りも社務所で売っています。

おみくじは1D6で

1 大吉

2 吉

3 中吉

4 小吉

5 末吉

6 凶

です。

書物を見せてもらうならば、従業員に話かけ、神主の柊木 琴音を呼んでもらい、説得、もしくは、信用をする。

すると「今は、忙しいから手伝えないが、神庫に過去の文献などがあるので見てくれて構わない。」という話をされる。


書物を『図書館』で調べ直すと人苗花の物語には続きがある事が分かる。

神によって殺された人苗花は、死滅した。しかし、一本の人苗花は、死の淵に一粒の種を残し川へと流した。そのまま、種はどこかへ消えてしまったという。

・参拝客

ここには、神の声が聞こえる巫女さんがいる。しかし、今は、いない。

最近、「転生教」だとか訳の分からない宗教団体が流行っているらしい。

しかし、古くからこの村は、柊木神社が収めていた。村の人間は困った時は、この神社の巫女さんに相談するし、家を建てる時なんかの祈願や結婚式なんかもここでやる。

伝説については知らないが、この村の歴史を代々保管しているのでもしかしたら載っているのかもしれない。


・巫女

柊木神社で働く巫女は、それほど、数が多い訳ではない。

しかし、それでも、4人は、確実にいるだろう。どの巫女さんも美人ぞろいである。

事件後は、彼女達は、ばたばたとせわしなく、神社の奥の方へ行ったり来たりしている。

彼女達は、探索者が質問してくると実に好意的に話をしてくれる。

彼女達から得られる情報

・もう少し来るのが早ければ、退魔の儀でお祭りをしていたのにみたいな話がきけます。

・転生教については、彼らの神社は不干渉を貫いている。信仰は自由ですから

・今、ちょっと準備がありまして、皆ばたばたしているんですよ。(詳しくはあまり語らない。)

・神の声が聞こえる巫女というのは、この神社の神主の孫の柊木 鈴音(ひいらぎ りんね)さんですね。小柄な可愛らしい方ですよ。ちょっと、痛い雰囲気だと感じられるかもしれませんが・・・

・鳥居の奥には、滝があるんですけど、神聖な場所なので関係者しか入る事が出来ないようになっているんです。



・図書館

かなり古いが大きめの図書館である。

人苗花に関する文献は、久津見の言っていた内容と同様のものが見つかる。

関連のある事件を調べるととある町で変死事件があったと書かれた記事が見つかる。

『人間の体が引き裂かれるような状態で発見されるという事件が起こった。

 死亡推定時刻もほとんどが夜中で、その時、誰かと接触した人間がいないかを捜査したが、犯人の特定をすることは出来なかった。』

柊木神社

『古くからこの土地を納めてきた神社である。本家は、東京の柊神社である。

 武神を崇めている事もあってか、儀式事態も剣を使ったものが行われる。

 昔から強く力を持った家であったため、気に入らない人間を呪いつきとして殺していたという話もある。』

『キーワード:退魔の儀』

・破魔の儀

昔は、破魔の儀という厄災を断つ儀式があり、その方法とは、身をしっかりと清めた巫女が取りつかれた人間の首を日本刀で断ち、祝詞を唱えながら火葬する。その後、首を切った巫女は、1か月の間、神社の奥にある滝にある洞穴で誰とも会うことなく生活しなければいけない。というものであり非常に狂気的なものであった。


・退魔の儀

 年に二度行われる恒例行事である。と言ってもそのうち一回は、神社の関係者しか見る事を許されていない。

公に公開されている退魔の儀を『魔祓い』、公開されていないものを『鬼祓い』としている。

方法は、同じ名称でも方法は少し違う。

『魔祓い』

神社の『神楽殿』で行われるものである。笛に合わせて剣を持った巫女が舞う。

その舞いは一時間ほど続く。そして、最後には、木と藁で組み立てた悪魔のようなものを切り裂く、それを持ってこの儀式は終了する。

この時には、同時に神社で祭りが催され数十の屋台が出てこの辺りでは結構、有名なお祭りである。

『鬼祓い』

神社の奥にある滝の元で行うものである。人形を斬る事自体には変わりがない。しかし、その木は、人の姿を模して作られている。服を着せられており、影だけ見れば、本物の人のようである。そして、切った後、洞穴に籠り三日、滝に打たれるのである。

これは、昔からある行事である破魔の儀が元になっている。



イベントの聞き耳に成功しニャル様に興味を抱かれた探索者は、「ふふふ」という笑い声が聞こえる。

そして、振り返ったり声のする方向を見たりすると、誰もおらず一枚のメモが置かれていることにあなただけ気づくでしょう。

メモを取るか、取らないかは、探索者に任せる。

『同物同治

 中国の漢方の歴史には、悪い部分を治すには悪い部分と同じ部分を他の存在からもらい食べると治ると言われている。つまり、心臓が悪いならば、健康な人間の心臓を食べると治るという事である。

現代では、他の動物を代用として使うが、古代では、人間の治療には人間の肉体を使うのが正統である。

魔を払う儀式でも少し類似するものがある。これは、同物同治の概念とは反対で悪い場所と悪い場所を食べる事によって魔同士が争いあって両者とも死滅するというものである。』



・警察

事件の詳細

探索者に質問されても警察は、あまりこの事を話したがらない。

「言いくるめ」「説得」「信用」などを使えば「内緒にしてくれよ。」とこっそり教えてくれる。」

警察に過去の事例を調べるとこの村では過去にも何度か同じように肉体が引き裂かれたような遺体が発見されることがあったそうである。どれも変死体ではあるが、明らかに内側から引き裂かれているのにもかかわらず、その原因が一切分からないという。

宗教団体について

 怪しげな宗教団体が最近、流行している。別段、悪さをしているとかそう言う話ではないが、世界は一度壊れて再構成されるべきだという旨の理念で動いており、大いなる神によって再構成された世界は皆が平等である世界であるという事を信じている。

 構成員は、事業に失敗したものや学校などでイジメに遭っているものなど社会で挫折したものや社会に不平等を感じる者などが多い

警察も彼らの動向には、注意をしている。

宗教団体の場所も教えてくれる。


・アスレチック

自然の豊かな場所で綺麗な川や森がある。釣り具屋や水着、キャンプ用品のレンタルなども行っている店がある。

何人か観光客と思われる人間がちらほらいる。

<目星>

川の水は飲めそうだ。

釣りをする場合は、<幸運>に成功すると1D6を振り結果を出す。

1 ナマズ

2 鮎

3 ヤマメ

4 フナ

5 オイカワ

6 メガネ

何かが釣れる。


・旅館

木造の旅館で掃除が行き届いている。露天風呂がありこの辺りでは、かなり上質な宿である。

旅館の女将は、柊木 咲という女性がやっている。

彼女の料理は毎日1D100ぐらいのうまさである。

昔は、柊木神社に訪れたお偉いさんのための宿として使われていたのを改装して旅館に変えた。


岡崎の部屋

岡崎の部屋は、現在使用されていない。所持品なども押収されており、回収は困難だろう。

中に入って探す事も出来る。

「目星」に成功すれば、ゴミ箱に紙屑が捨てられたままになっているのが分かる。

紙には「0×××-119-2296 09×-375-64××」と書かれている。

これは、宗教団体の支部のある場所の電話番号である。それを知るには、かけてみるか、携帯電話でネット検索するなどするとどこに繋がっているか分かる。

携帯電話の番号の方は、かけてみないと分からないと思う。もしかしたら、何かしらの方法を探索者が知ってるかもしれないが・・・

携帯電話の相手は、二葉(仮)である。


『電話をかける』

電話をかけると二葉が電話から出る。「はい。どなたでしょうか?」という感じである。

自分から積極的に名乗ろうとはしない。

岡崎の事を尋ねると「ああ、教団を脱退するとおっしゃっていました。助けてほしい、殺されるとおっしゃっていましたが、教団は、そんな酷い事をする場所ではありませんから、大丈夫ですよ。」と言ったら切ってしまわれました。

彼は、この件が教団の関係している事件だとは疑ってもいない。しかし、もし、死んだ様子などを教えれば、教団の陰謀に気付き、朽木へと牙をむくことになる。


・転生教 支部

 転生教の支部が設置されている。支部なので大した造りではない。


木造の住宅の横に小さな教会のようなものが設置されているだけである。周囲は、柵に囲まれており入る事の出来る場所は、正面入り口からだけのようである。

夏の野菜などが栽培されている。大きめの宿舎もあり、それはコンクリートで造られているようである。

人の姿は、ほとんどなく畑仕事をしている人、掃除をしているものなど色々がいる。

倉庫1

 倉庫は土で汚れており開けると土埃が舞う。農具などが収められている。

<目星>

非常に使い込まれた農具である事が分かる。

倉庫2

 使われていないストーブなどの機械類が収納されている。

<目星>あまり使われている印象はない。

教会?

白い綺麗な教会であり木製の扉が閉じられている。

中は、いくつもの長椅子が置かれ、奥には、名状しがたき形状の何かが祭られている。

無骨な造りであるものの、その姿は、人を圧倒する存在感を放ち、言いようもない不安感を掻き立てる。しかし、不思議と不快な感覚はしない。紛れもない芸術作品である事が芸術の知識のないものでもわかってしまう。

探索者は<オカルト>を振る事でこんな神は存在しない。と言う事が分かる。

像は、完全にただの芸術品であり、かの天才芸術家『龍驤 真』が手掛けた作品の一つである。(別シナリオ『愛しきものへ』で登場するキャラ)

※この情報は、完全に作者の遊び心なので、詳しく明記する必要なし。ただ、どうしても、知りたがった場合、これ以上、特に何もないよという意味を込めて教えるのはあり。

教会自体は、綺麗に清掃されている以外、特に変わった様子はない。


転生教について

この宗教団体は、「世界は、一度大きな存在によって壊され、再生しより良い世界に生まれ変わる。より良い世界では、皆が平等に生きられるのだ。」という話を元にご神体を崇拝する事によって祈りの力が、大いなる神を呼び覚まし世界を生まれ変わらせる。と信じられている。

入信者の多くが人生や社会に絶望したものばかりであり、彼らは一度神秘体験を受けそれからは、信徒として盲従する。

彼らが仲間に入れる方法は、様々であるが一番は、『酒』である。その酒を飲むと大いなるものに出会う事が出来るという。

信者たちは、自分達の財産を納めたり、宗教団体の命ずることをそのまま遂行する操り人形のようになっている。

そして、毎夜、崇拝の儀式と言う儀式でMPを杖に吸収させている。

この杖は、崇拝者のMPをかなり吸っているので異常な量のMPが内包されている。

これは、いつかくるヨグソトース招来のための準備なのである。

神の酒と呼ばれるアーティファクトである。

これを飲んだものは、一時意識を宇宙に広げ、ヨグ=ソトースと対面する事が出来る。

POWの値に成功したものは、はっきりとその姿が見えるが、POWの値に失敗したものには、その絶対的な存在感を感じるが、姿ははっきりとはしない。


酒を口に含んだその瞬間、探索者の意識は、テレビの電源を切ったように唐突に途切れる。

意識が戻るとそこは元居た場所とは明らかに違うとはっきりと分かるだろう。

上も下も右も左すら曖昧な空間にあなたはいた。まるで深海を漂っているような感覚

あなたは、そんな奇妙な空間の中、何かに導かれる感覚がする。心臓が握りつぶされるような強烈な不安を感じながらもあなたは、その導きに抗うことは出来ない。

少しずつ進むと次第に何かの姿が見えてくる。

<成功者>

その姿は、玉虫色の泡であった。ブクブクと泡を立てながらそれは、膨張と収縮を繰り返している。

そして、その泡の塊は、泡立ちながらも何かの姿を模っていく。それは、瞳であった。人一人分ほどの大きさの瞳がじっとあなたの存在を見つめている。

あなたは、心の奥底から湧き上がる恐怖で身じろぎ一つすることが出来ない。

ゆっくりとその泡は、あなたに近づいていき、そして―――

その瞬間、あなたは、目を覚ます。自分の出会った存在が瞳に焼き付いている。恐ろしい存在、そして、絶対的な存在を目の当たりにした探索者は、SANチェック

<失敗者>

それが何であるか、あなたは分からない。しかし、その姿には、背筋の凍るような恐ろしさがある。そして、実際にそれは確かに存在していて自分と言う存在は、何をする事も出来ないという心地よい絶望があなたの脳を支配する。

その何かは、あなたに近づいてくる。そして――――

その瞬間、あなたは、目を覚ます。自分の出会った存在の記憶は、はっきり残っている。

その強大さを思い出すだけで心臓が潰されそうだ。


そんな恐ろしい経験をした探索者はSANチェック

その後、POW成功者は、1D10/1D100のSANチェック

POW失敗者は、1D6/1D10のSANチェックがある。

そして、1D6+3のクトゥルフ神話技能を得る。

もし、これによって発狂した場合は、『大いなるものを無条件で崇拝する狂信状態になる。』


『大いなるものを無条件で崇拝する狂信状態』

 大いなる存在である神の存在を信じ、神の力になろうとする。

 特に何か探索者に方針がなければ、教団の命令に従うようになる。

 儀式として毎日、夜に崇拝の儀式が行われMPを全て奪われたり、金品をお布施として納めようとしたり、とにかく、神のために何かしなければいけないという使命感に駆られるのである。その為に人を殺す事も躊躇しない。

 そして、もう一度、大いなる神に出会いたいという欲求が日を追うごとに強くなる。

この状態になった場合、1D6日間 継続される。

精神分析を行えば、正常な思考能力を得る。


畑を耕している信者

「古畑 耕蔵(ふるはた たがやすぞう)」

畑を耕している男は、かなり高齢の男性で日によく焼けて肌はとても黒い。ごつごつとした手は長い間畑仕事を続けてきたのだと感じさせる。彼は、まだ、緑色のトマトをちぎって捨てている。

Q1「何をしているのか?」

「劣等種を間引いているんだ。劣等種は育ち方も形も悪いからな。早い間に間引いて良い実に良く栄養が行くようにしてるんだ。」

これ自体に深い意味はないがまあ、悪魔の植物が弱体化してる理由に関係するので・・・

Q2「なぜ畑を耕しているのか?」

俺は、金もなんもないからな。畑でも耕してみんなの助けになればいいなと思ってな。

Q3「なぜこんなところで?」

俺は、昔から畑仕事をしてきたんだが、ちっとも良くならない。値がついても大した額にならない。こっちは、つきっきりで面倒を見てるのに割に合わない。

だから、神様にお願いしてんのさ。もっと、良い世界にしてくれってな。ふふふ

Q4「おかしいとは思わないのか?」もしくは、神様を侮辱するような言動

そんな質問を探索者がすると男は怒りを露わにして「何がおかしいって!? お前たちは、神を見ていないからそんなことが言えるんだ。神様はいつか、この世界を壊して作り直してくださる。もう、いいだろ。俺は忙しいんだ。」と言って畑仕事に戻ってしまう。



掃除をしている人

「深海 レ子」

かなり若い女性である。整った顔立ちの綺麗な女性であるが、その表情に覇気が感じられない。そのせいで、整った顔立ちは、陰鬱な雰囲気をまといどこか近寄りがたい。

彼女は、裕福な家庭で育った。大学まで順調に暮らしてきた彼女であったが就職先で酷い嫌がらせを受け、そして、最後には、同僚のミスを押し付けられクビにされた。その後は、色々なところでバイトをしながら生活するフリーターになり、その給料のほとんどをお布施として納めている。

Q1「何をしている?」

「何って決まってるでしょ。掃除をしてるのよ。」

Q2 「なんで掃除しているのか?」

「別に掃除をするのに理由なんていらないと思うのだけど?」

Q3「神様を信じている?」

「信じるも信じないもないわ。げんに私達は、神様を見てるの。神様は存在するのよ。」

Q4「ここのトップについて」

来栖様ですか。来栖様は、ここにはおられない。私もお会いしたのは数回程度です。

ここは基本的に幹部の朽木様が担当しておられるのです。


朽木についての情報

 信者との関わりが深いため、この土地で司教として存在する。

 植物などが好きで信者たちに植物に関する知識などを披露する事も

 昔から植物に関する研究をしていたようで教団に入った今でも村で植物の研究をしているそうである。


朽木をネットで検索すると

植物の遺伝子操作の研究をしている事が分かる。繁殖力を増やすことや、特定の性質を持たせる研究を行っていることで有名になったことがある。

その後は、業界からまったく姿を現さなくなったため、情報がない。


朽木との面会

朽木と話をしたいと言えば、信者たちが彼との出会いの場をつないでくれる。

朽木は、宿舎にある応接室に探索者達を呼び寄せるだろう。

朽木は、探索者に対して非常に好意的に接しているので親身に話を聞いてくれるだろう。

Q1 「神を見る事が出来るというのは本当ですか?」

「ええ、個人差はありますが、確かに神と出会う事が出来ますよ。」

Q2 「この宗教が信仰する神について」

「大いなる神は、まさしく、我々には及びもつかないような強大な力を持っておられます。そして、神から慈悲を賜ったものは、新たな境地にたどり着けるのです。

皆様もお会いしていただければ、かのお方の素晴らしさに気付き、すぐに大いなる神の信徒になる事でしょう。」

Q3 「岡崎について」

 「ああ、岡崎ですか。医療事故で亡くなられたと聞いています。悲しい事です。しかし、彼もまた大いなる神の信徒でありました。きっと、彼も魂は大いなる神の元に行き救済されている事でしょう。」

Q4「人苗花について」

「人に寄生する植物ですか・・・。虫などに寄生する植物であれば存在はしたと思います。しかし、私の専門とは少し離れているので詳しい事は言えないが、おそらく人間に寄生するようなものは今のところ発表はされていないと思います。」

心理学を使用しても彼は、嘘は言っていない。と感じる。彼は、人苗花について聞いても「そんな植物について発表はされていないはずです。」と言葉を濁す。


特定イベント

 もし、探索者が教団に入りたいと申し出てきた場合、朽木は、快く受け入れる。

「もし、教団に本気で入団なさりたいなら、どうぞ、今日一日ここに泊まって見学していってください。」というような事を言う。

 そして、もし教団に対して好意的な態度を継続してとるようなら『神の酒』を探索者に飲むように勧めてくる。そして、それを飲み無事にこの世界に戻ってこれた場合、探索者は、SAN減少がどうあれ、意識を失い教団の宿舎のベッドで目を覚ます。

 その時には、種は抜き取られているが、発狂した探索者は、狂信状態になり大いなる存在を崇拝する信徒の一人になっているだろう。



応接室

探索者が朽木と面会する場合通される待合室は、この応接室である。

高級そうなソファと机が置かれた部屋である。壁にはいくつもの資料が棚に綺麗に収納されており、他にもお酒などが並べられた棚もある。

他にも冷水器が置かれている。

<目星>に成功すると酒の入った棚にラベルの付いていない酒瓶が収納されいることに気付く。神の酒です。持って帰っても別に支障はないよ。


食堂

木製の机がいくつも並んだ部屋である。部屋の手前には、調理場があり、料理人が仕事をしている。

この職員も教団の一員である。

食事は、決まったものが出されるため、選択は出来ない。

目星をしても塵一つない綺麗な部屋だと感じるだけである。


瞑想室

畳の敷かれた部屋でそれ以外は、全くと言っていいほど何もない。

数人が座禅を組んでいる。神にもっとしっかり出会うためには自己を見つめ精神を鍛え上げる必要があるからとか、そんな理由で良い。


<二階>

本棚

沢山の本が収められた本棚がある。宗教関連の本が多い印象を受ける。

<図書館>に成功すると『神酒』という本がある事が分かる。

 古来より酒は、神の供物として代表的なものである。日本最古の酒と言えば、米を口に含み咀嚼(そしゃく)したものを吐き出し発行させるという『口噛み酒』である。

これは、処女の清らかな乙女でなければ作る事が許されない神聖な酒であったとされる。

 キリスト教でもワインを神の血とする信仰があり、そのほかの信仰でも酒と神を組み合わせる事が多い。

 酒を飲むことによって神と出会ったり、力を得たりするなどの伝承も存在している。


部屋

四人部屋になっており、少し窮屈な印象を受ける。

ほとんどの人間がひどく疲れたようすで眠っている。

これは、儀式によってMPを全損したからである。


倉庫

ドアは、鍵がかかっている。<鍵開け>に成功すれば開ける事が出来るだろう。

倉庫には、いくつもの神の酒がしまわれている。


二葉との接触

 朽木と出会うと探索者は、二葉とも出会うことになるだろう。

それほど、大柄ではないが別段、小さい訳ではないといった感じの平均的な男性である。

温和そうな顔をしているが、どこか、影のある印象を受ける。

植物の手入れなども最近では彼が行っている。

元、朽木の高校時代の後輩で朽木の事を尊敬している。入信して間もないが、自分は、朽木と古くからの付き合いのおかげで、世話係のようなものをしている。


宿舎の人間から得られる情報

1.「社会で生きるのがつらくなった人間が集まっている場所だ」

2.「植物の事なら朽木様にお聞きになるのが確実だ。あの人は、植物に関して深い知識を持っておられる。ここら辺で咲いている花は基本的に朽木様が育てていらっしゃる。」

3.「みんな疲れているから、気を使ってやってほしい。理由は、色々だよ。夜に作業したりとかな」

4.「その辺の神は、願ったってインチキだが、うちの神様は違う、確実に存在するんだ。あんたも入信すればわかるさ。」

5.「朽木様は、ここに住んでいらっしゃるからな。商店街の近くの一軒家だ。ここにいなきゃ大抵、そこにいる。」

6.「ここの連中は、柊木神社を信仰しすぎなんだよ。気持ち悪い。」

7.「朽木様は、信者のみんなにとてもよくしてくれている、この前もここの庭でパーティをしたんだけどね。照明やら食材やらの手配をみんなやってくださってね。」


<イベント>

出る時

KPは、非公開でロールして前回、<聞き耳>に成功した探索者に以下の情報を与える。

女性が通りがかる。

1~50 「会いたいなら飲めば良い。知りたいなら飲めば良い。だけど、深く知る事が幸せとは限らない。」という女性の声が聞こえる。

51~00 「飲まなきゃ始まらない。ほら・・・」という女性の声が聞こえる。


<朽木失踪イベント>

ある程度、情報が集まった状態で教団に行くと探索者は、少しざわざわしているように感じる。

何があったのかと聞くと「朽木様が行方不明」という事が分かる。家を訪ねても誰も出ない。いったいどこに行ってしまわれたのか・・・

「もしかしたら、神社の連中が、さらったのでは・・・?」などという事も言っている事が分かる。(勿論、完全に適当な情報だが・・・)


商店街

 にぎやかの印象のある商店街である。八百屋や魚屋、肉屋などを始め、電気屋や本屋、コアな専門的な道具が置かれた店もあるようである。

 ある程度のものであれば、ここで購入できる。

勿論、明らかにパワーバランスを崩すようなものは禁止

懐中電灯などは普通にある。



神社近くの川

※この川は、神社の奥の滝から来ている。そして、この町のほとんどの田畑がこの川の恩恵を受けていると言ってもいい。

この村で育った農家の人間は、川の存在に感謝している。

綺麗な水の川である。水の勢いもそれほどある訳ではない。魚が何匹か泳いでいるのが分かる。


ニャル様の助言・情報提供

柊木神社

『柊木神社は、古くから呪いを解く技術を持っている。清浄な剣の力によって魔を祓うのだ。しかし、神に愛されたあの一族は、同時に人間を呪う事も可能であろう。

血に汚れた一族を許してはならない。』

『神は、自分の倒した存在を家来とし、自身に奉仕させる事があったという。

 これは、日本神話も例外ではなく、勝負をして敗北した神に命令をするなどと言う話は、それほど珍しいものではない。

この土地を納める武御雷も例外ではない。』

『嘘も真実もあなたが判断するの。ねぇ、彼の言葉は真実なのかしら?』

『信仰は人を盲目にする。強大な信仰の前には、悪すらも正義になる。』


朽木の屋敷

 非常に大きな二階建ての洋風の屋敷である。この和風な造りの家が多いこの町では、かなり異彩を放っている。

※屋敷に対して<目星>やしっかり見る宣言があれば記憶しておくこと。

目星をしても情報は、特に得られない。

教会に行った場合のみこの場所は公開される。探索者が朽木の家を聞いていればだが・・・

この屋敷には、夕方に訪問しても誰も出てこない。研究室で作業しているからである。

探索者がこの家に秘密があると勘づいたら<朽木失踪イベント>起動

洋館を尋ねると<朽木失踪イベント>発生前は、二葉が探索者を迎えてくれる。

何か話があると言えば、「まあ、お茶でも出すよ。」と言って中に入れてくれる。

しかし、<朽木失踪イベント>が発生する前は探索が困難なため公開する情報は一階だけでよい。

というか、公開しなくても良いレベル。

洋風で造られた外見と同じように内部の洋風な造りをしている。

いくつかの部屋へ続くであろう木製のドア。そして、目の前に二階へあがるための階段が見える。

イベント前の話し合いで『岡崎の死』などについての話をした場合、事件については一切話さないが、「もし、これが人の手で行われた事件だったなら、罪を償ってもらいたいですね。」というニュアンスの言葉を発言する。

これは、二葉が朽木を殺す決意をしており、そして、また朽木を殺した自分すらも殺さなければいけないと思っている。


今回、初、シナリオ公開ということなのでちょっと緊張気味ですが、ご質問、アドバイス、使った感想などあればぜひコメントください。


今回のシナリオは、初心者向けではありません。意味のない即死(回避できない訳ではない。)、ブラフ情報、謎のアドバイスなど多数存在します。


一度回してみましたが、プレイヤー2人全滅しました。なので、一応、修正も加えていますが、その辺りご了承ください。


オリジナル呪文、オリジナル『アーティファクト』、キャラクターの一部改変がございますが、それでもよろしいという方は、楽しんでいってください。

<プレイ時間>

オンセで8時間かかりました。


<推奨技能>

目星・聞き耳・図書館・『交渉技能など』・『戦闘技能もあっても邪魔になりません。』

<推奨職業>

なし

<推奨人数>

2~3人

<推奨性格>

「好奇心が強い人間が望ましい」


PL同士「友人関係(一緒に旅行に行く程度には)であること」


季節: 夏

場所:電車とバスを乗り継いで着く田舎町、避暑地として有名な場所で自然が豊かな田舎

シナリオの概要

 避暑に旅行に来た探索者は、旅館で不審な男の話を聞いてしまい後を付ける事に

 男の後を追うとフードを被った何者かと話をしている。何度か言葉を交わしすると

フードは、自身の腕を男の胸に抉りごんでいた。

それに気付いた探索者も狙われ、抵抗できずに倒れてしまう。

気付いたら病院で目を覚まし、自分の体内に異物がある事が判明し、切除を勧められるが・・・

病院をうろついていると旅館で出会った男と再会し彼の中にも異物がある事が分かり、切除するらしい。

そして、切除のために手術室に入った彼は、体を風船が裂けたように飛び散りながら死んでいた。

探索者は、自分に埋め込まれた何かがこの現象を起こしたのだと悟り、なんとかするためにこの件を調べる事に・・・


神話生物

『悪魔の植物』(亜種)

※パワーバランスをとるため変えてあります。

魔術師や神話的存在によって強制的に植え付けられる。発芽は暗闇にいるか、切除しようとした場合に行われる。

ある程度、薄暗い場所で行動すると植え付けられた日数+3とCONを耐久ロールを行い失敗すると発芽しようとする。幸運ロールに成功すると発芽は免れるが強烈な激痛に見舞われ1D6のダメージと気絶する。

このダメージは切除するまで治癒しない。

電気を消しての睡眠・暗い場所を探索するたびに発動する。

発芽した瞬間、宿主の体を引き裂き急激に巨大化する。そのため、宿主は即死する。

発芽をさせない方法として一日中、強い光に当たり続けるという方法がある。

発芽前の種に強い光を与えると消滅してしまう。

研究で朽木という研究者に改良された種族で強い光に弱い。

強い光を受けるとこの植物は成長する事が出来なくなる。

炎に対しては、一定のダメージは存在するがしばらくすると火は消えてしまう。

しかし、闇の中にいる間は非常に強力で発芽してから1ターンで2D3成長する。

攻撃 二回攻撃

ツルを巻き付ける 30% 組み付き状態になり、次からの攻撃は必ず当たる。

締め上げる (組み付き状態のみ可) 1D4ダメージ

ツルを打ち付ける 30% 1D6+DB

STR 20 CON 40 SIZ 6(1ターンで2D3成長) INT 6 POW 10 DEX 11

HP 23 以降 成長÷2 増加

火に対しては1D6のダメージ

光は、懐中電灯程度の威力なら1D3である。車のライトなら1D6 もっと、大きな光なら1D10のダメージを当てることが可能である。

光を浴びると浴びた部分の成長が止まり、ダメージを受ける


事件の原因

事件の原因は、岡崎(最初の被害者)がヨグ=ソトースを崇拝する宗教団体『転生教』の秘密知り逃げようとしたため、口封じのために朽木に種を植え付けられてしまう。

それを目撃した探索者にも事件の隠蔽のために種を植え付ける。

自分に何か埋め込まれたと気づいた岡崎は、手術によって自分の肉体に埋め込まれた種を取ろうと決意するが種が無理矢理に発芽、しかし、手術台の光を浴びて発芽するもすぐさま消滅してしまう。

朽木が種を植え付け岡崎を殺したと知った二葉という研究員が罪悪感から朽木を殺そうと寝ている間に種を埋め込み、自分自身にも埋め込み最終的に死んでしまう。

朽木も腹痛によって体力を奪われていたが、種のせいだとは気づかずに研究を続けている。

しかし、種は、朽木の意識がなくなる、もしくは、死の淵になり発芽するのを待っているのだ。


登場人物

『来栖 帝(くるす みかど)』

「転生教」の教団のトップであり、魔術師でヨグ=ソトースを崇拝している。「世界は一度壊れ再生されるべきである。そして、皆が平等の世界を生み出す」という宗教理念を掲げており、この世界でヨグ=ソトースと出会うための準備を行っている。

※一番トップだけどシナリオには一切登場しません。

『岡崎 真人(おかざき まさと)』

昔は、宗教団体の幹部に所属していたが神話的存在と出会い恐怖し団体を出ていきたいと願った所、魔界の植物の種子を植え付けられて死亡する。

その後、種子は跡形もなく消滅してしまう。

※ステータスはお任せします。

『久津見(仮)』

古くから伝わる伝承などを扱う民俗学者

種が古くから伝わる伝承『人苗花(じんみょうか)』の伝説から切除はやめた方が良いと提案するがバカバカしいと一蹴されてしまう。

『人苗花』という伝承について教えてくれるキーマン

しかし、他の情報はほとんど出てこない。


『二葉 鳴海(ふたば なるみ)』

『転生教』に入信したばかりの信者

人生にうまくいかず、それもこれも世界が悪いと思い込んでいる。

朽木に悪魔の植物を見せられ興味を持ち研究を手伝うが自分の研究が他人を殺す事になるとは知らず、せめてもの罪滅ぼしのために朽木に種を植え付け自分は、自殺してしまう。

『朽木(仮)』

教団幹部の一人で魔術師

昔は、植物のバイオテクノロジーの研究をしていたが、転生教のトップ『来栖』と出会いヨグソトースと接触する。それからは、地獄の植物を研究している。

地獄の植物を二葉の裏切りにあい植え付けられてしまう

『柊木 咲』

柊木旅館の女将をしている女性 温厚な性格

出す料理は1D100点の出来栄え


導入

探索者達は、避暑のために田舎に遊びに来ていた。結構な田舎だが自然の豊かな村で過ごしやすい土地であると評判の町である。

山には、釣りやキャンプなどが出来る施設もある。竹細工が有名でお土産としても人気が高い。畑や田んぼも多いが飲食店や店などもポツポツとある落ち着いた雰囲気の街並みだ。

探索者達は、宿『柊木旅館』に来ていた。とても、落ち着いた雰囲気のある木造の旅館で露天風呂などもあるこの辺りでは人気の旅館である。

川遊びや釣りなど様々な事で避暑のたびを満喫していた夜、探索者達は、男が旅館で電話をしているのが目に入る。

「金、無理、たすけ―――見逃しーーー殺―――」

断片的にこんな内容が聞こえてくる。

男は、探索者に気付くと慌てて旅館の外へ行ってしまう。

後を付けると男とフードを被り顔を隠した人が話をしているのを目撃する。

一人はひどく怯えた様子で「俺は、もう、あの教団からは手を引く。あんな恐ろしいものに手を出してるなんて聞いてない・・・」と相手に訴えかけている。

しかし、相手は意に介した様子もなく「そうか。なら、もう良い。」と男の胸に向かって殴りかかった。男の胸に拳がぶつかるかと思われたその瞬間、探索者達は目を疑った。

腕が男の胸を抉っていたのだ。しかし、男は、自分が何をされたかを理解していないようで呆然と自分に突き刺さる腕を見ているだけだった。

フードの人は、その後、腕を男から引き抜いた。男は、力を失ったようにバタリとその場に倒れた。

探索者達はSANチェック 1/1D4

(ここで抵抗する場合は、急魔術の影響でに体の自由が効かなくなり硬直してしまったということにするとよい。※ここで全員をこの場に引き寄せるように誘導するとやりやすい。)

そして、その場を立ち去ろうとするフードは、探索者の存在に気付いて襲い掛かり同じように体を抉る。

しかし、不思議と痛みはない。体の中をかき回されるような気持ちの悪い感覚を伴いながら意識が朦朧としてくるのを感じるだろう。

フードと出会った探索者は、全員、ここで気絶する。

目を覚ますと探索者達は、病院にいた。体をまさぐってみてもどこにも異常は見当たらない。しかし、あの気味の悪い感覚は、探索者の体に残っている。

しばらくすると病院の中から怒鳴りつけるような声が聞こえる。

「あいつだ。あいつが、俺の中に変なモノ埋め込みやがった! きっと、爆弾だ。あいつ、俺の中に爆弾を埋め込みやがったんだ!」

声の主は、フードに襲われたはずの男だった。医者に怒鳴りつける姿は、胸を貫かれたとは思えないほど元気だ。

男は、相変わらず医者に怒鳴りつけているが医者は「爆弾ではありません。どちらかと言うと、植物の種のような印象でした。勿論、どちらも異常な事ですが、それほど深刻に考えられる必要はないかと切除もあなたの場所なら簡単でしょう。」と男をなだめていた。

「じゃあ、すぐに取ってくれ。こんな気持ちの悪いもんが体の中にあるって思っただけでも恐ろしい」

というような話をしているのが探索者は聞き取れるだろう。

 探索者がしばらく部屋にいたり、外出しようとすると看護婦が探索者達が目覚めたのに気づき「あ、お目覚めになられたんですね。気を失って倒れているのを地域の方が見つけて病院に搬送されたんですが、大丈夫ですか?」というような風で探索者の心配をする。

 

 探索者がある程度、看護婦から話を聞くと医者が探索者の前に現れ「一応、体に異常がないかを検査するのでしばらく待っていてくれ。」というような事を言う。

 しばらく待ってから、探索者は、レントゲンなどを撮ると奇妙なものが体に映り込んでいた。

レントゲン写真には、自身の白い骨が映っている。しかし、腹部の辺り、明らかに骨とは思えない奇妙な形の白いものが見える。大きさは、10円玉程度の大きさだが、何かの種のようなものが映っている。

それは、ちょうど探索者がフードに攻撃された辺りだった。

「これは、奇妙ですね。他の方にも同じようにこのような物体が映っている。こんな事は初めてだ。」と医者も不思議そうに顔をしかめている。

「おそらく、今のところ、命の危険はないとは思いますが、念のため切除するのが良いとは思います。」という旨を医者から伝えられる。切除自体はそれほど難しいものではないとのこと。同じように物体が映った岡崎も切除しようとしているという話を聞いても良い。

岡崎を探すと一人の男性と話しているのが分かる。

久津見との話

(下で詳しく記載)

探索者がここで治療を受けるか家の方で手術を受けるか悩んでいると男が手術室に入れられていくのが分かる。

20分ほどして、途端に女性の悲鳴が病院内に響き渡る。

声のする方はどうやら、手術室のある方向のようだった。探索者は、駆けつけるかどうかを選ぶ

駆けつけた場合、以下の状況が探索者の目に飛び込んでくるだろう。

 むせかえるような鉄の匂い、そして、何とも言えない悪臭が周囲を埋め尽くしていた。匂いの元があるのであろう手術室を見るとそこは、地獄絵図のようだった。まるで引き裂いたかのようにバラバラになった死体がそこにはあった。手術台の上で横たわるそれは、人としての形を保ってはいなかった。ぶよぶよとした肉と内臓が外に出てきている。そして、その肉塊からは人間の手や足が不自然なほど原型を保って生えており、その肉塊が人間であるのを理解させる。

ポタリポタリと赤黒い血が手術台から零れ落ちる。床はすでに赤く染められ血だまりが出来上がっていた。

SANチェック1D3/1D6

その傍で白衣を返り血で真っ赤に染めて呆然と立ち尽くしている医者は「種が・・・木が・・・」と力なく呟きながら糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。

 その声を聞いた探索者は、自分自身に植え付けられた種がこの現象を起こしたと自覚した。

SANチェック1/1D4

<聞き耳>

探索者の近くで「やっぱり・・・これは・・・じんみょうか」と呟いている久津見がいること事に気付く

『駆けつけない場合』

しばらくして、警察が来て「事故が起こったため調査中です。」と言われる。

理由は、交渉技能を使って聞き出す事が出来る。

「手術中に医療ミスか、何かで体に異変が起こったようだ。あんな風な遺体をみたのは初めてだが・・・」みたいな


その後、警察が調査に来るが全くの原因不明で手術を行っていた医師や看護師はまともに会話が出来る状態ではない為、事件ではあるものの原因が分からない状況だった。


<イベント>

 探索者が移動する瞬間、一人の女性とすれ違う

<聞き耳>を振る。

「早くしないと、死んじゃうよ。」と小さく笑うような声が聞こえる。

後ろを振り向いても女性の姿はない。そして、通り過ぎた女性の顔を思い出そうとしてもまったく思い出せない。

SANチェック 0/1D3

この女性は、ニャル様である。<聞き耳>に成功し何かしらの反応を示した探索者のうち一人は、ニャル様に目を付けられる。KPが決めてもいいし、ダイスを信じてもいいし

ニャル様は、探索者にたまにヒントを与えるが悪意のある助言を与えたりする。完全なるJOKERキャラである。



 クトゥルフ神話TRPGにしろ、ほかのTRPGにしろ、シナリオには目的があります。

 敵を倒すとか、封印するとか、とりあえず、何かしら起こる問題を解決する事でシナリオは終了します。

クトゥルフでも同様に、世界を滅ぼす存在を召喚しようとする教団のボスを倒すとか、行方不明になった女の子を救うとか、閉じ込められて脱出するとか、まあ、色々あります。

そんな中クトゥルフTRPGをやっていて困ったTRPGならではの問題があります。

 TRPGのシナリオを作ってやってもらう中で結構起こった事態が


「事件の切っ掛けに探索者を参加させれない」


という事です。

例えば導入で「探索者が女の子がさらわれるのを目撃して、それを追いかけようとする。」と言う展開があったとします。

少年漫画やゲームなどでは、よくある展開ですが、クトゥルフでは、自由な行動が出来るので「警察に通報して事情を話す。」こんな展開で物語は、幕を閉じることがあります。

 こういった事態を解決するのがKPとしての役割だとは思いますが、しかし、軌道修正が難しいというのも事実です。

「面倒ごとに関わりたくない」と思っている探索者がいるなら無理矢理にでも物語に組み込んでやるのが正攻法なのです。

そのため、クトゥルフシナリオの定番としてクローズドつまり、閉鎖された世界観のシナリオが重宝されています。

脱出が目的の探索者は、自分のために頑張るしかないという動機を作ってあげる訳ですね。

動機としては、

・仲間があぶない。

・命の危険がある。

・地球がヤバい

みたいなのもありです。

他にもあらかじめ参加する探索者の性格特徴を決めておくというのも手段の1つです。


「探索者は、正義感が強い人物である事が望ましい」


「探索者は、好奇心旺盛な人物である事が望ましい」


こんな感じの項目を付けるだけでシナリオに随分関わりやすくなります。

ただ、あまり制限をつけすぎるとキャラクターに自由度がなくなりますのでご注意を・・・


さて、少し話が脱線しましたが、クトゥルフシナリオでは、クローズド系のシナリオが重宝されています。

私も新しくプレイする予定の方には、最初はクローズド系がお勧めだと思います。

理由としては、情報が限定されているという事です。

KPは、簡単に言ってしまえば、TRPG内のルールです。KPがいると言えばいるし、いないならいない。それぐらい絶対的です。

そのため、キャラクターの存在する世界の情報はKPが管理しなければいけません。

天気・街並み・店・NPC・etc

そして、プレイヤーが行動するたびにその行動に対して情報を提示しなければならないので、膨大な情報を必要とするシティシナリオなどは初心者向けではありません。

クローズドシナリオは、閉鎖空間であるため、情報が閉鎖された空間内だけで整理しやすく、NPCなども最小限にできます。

そういった理由でクローズドシナリオはお勧めです。



慣れてきたら村系のシナリオにすると良いでしょう。結構、交通機関の制限された田舎とか、事故で一時的に帰れなくなったとか、簡単には帰れないシナリオをするのが2番目に簡単だと思います。

街ほど発展していないので町の情報も主要な場所さえおさえていれば、しっかりと話を進められるでしょう。

そして、クローズド系にはない開放感があるので自由度が上がります。

さらに町なのである程度プレイヤーの動きを抑止したりも出来ます。

「スタンガンとか色々欲しい」とか「武器っぽいものない?」とかやたらと戦おうとする子にも「田舎だからねぇ」と話を終わらせることが出来ます。

まあ、不都合があれば理由づけしやすいという事ですね。

なのでKPにも負担が少なく、プレイヤーも自由度が上がるというハイブリッドな感じです。



シティシナリオはぶっちゃけKPの技量にかかってると言っても過言ではないでしょう。

ある程度情報を用意していても、予想外な展開が山ほど出てくるのでその都度、アドリブで対応しなければいけません。

自由度は最高、KPの負担も最大という事ですね。

ただ、予想外な展開が起こりやすいので見てても楽しい感じですね。

それに一番最初の時のような事件に巻き込まれない展開も起こりえます。


さて今までは、どこでと言うのを主体に置いた話をしましたが、次はどういったシナリオにするのかと言う話をしましょうか。

大体、大きく分けると『依頼される』『巻き込まれる』という能動的か受動的かみたいな違いです。

『依頼される』パターンの定番としては、「とある人物が失踪したのでそれを探してほしい」という依頼を受けて事件の真相に気付いていったり、「とある本を探してほしい」と依頼されたりです。

これは、探索者が探偵だとか医者など相談される事が多い職業が話しに組み込みやすいです。

『巻き込まれる』

巻き込まれる展開は非常に多いのですが、命の危険などがあると分かるとすぐに逃げてしまう事がありますので、動機づけや逃げられないという状況を作る事が必須と言えます。

例えば、とある魔導書に刻まれた刻印を見てしまい神話的生物に狙われてしてしまうとかですね。


とまあ、こんな感じでシナリオをどういった方向性にするのかを決めるのが良いと思います。

「いや、これ普通に考えたら帰るだろ。」みたいな状態にしないようにするのも上手いKPだと思います。

出来るだけキャラクターを演じたいプレイヤー(リアルマンというらしい)などは、常識的にありえない行動をするのが嫌いですのでその辺りをきちんとする事をお勧めします。

ただ、あくまでKPが進行役なので、話が進まない場合は、それとなく忠告してあげると良いでしょう。

私が思うTRPGは、楽しく出来れば良いです。結局、クトゥルフTRPGにしろなんにしろ、殺伐とした感じでプレイしたくはないので、あまり縛られすぎずに遊ぶのが良いと思います。

さて、今回はこれぐらいにして次回またお会いしましょう。


今回、クトゥルフ神話TRPGシナリオを制作し、公開するためのホームページを創設した御伽です。


クトゥルフTRPG経験、KP経験などは、個人的にそれほど積んでいる訳ではないのですが、自分のシナリオを誰かに使ってもらえたらなと思い立ち上げました。


感じた感想や実際にやってみてどうなったかなどのコメントなどいただければ、非常にうれしく思うので是非コメントしてください。


あと、ここは、こうした方が良いよ。などのアドバイスなども歓迎です。


皆様の楽しいクトゥルフTRPGの助けになればと思います。