クトゥルフシナリオを作る前に・・・

 クトゥルフ神話TRPGにしろ、ほかのTRPGにしろ、シナリオには目的があります。

 敵を倒すとか、封印するとか、とりあえず、何かしら起こる問題を解決する事でシナリオは終了します。

クトゥルフでも同様に、世界を滅ぼす存在を召喚しようとする教団のボスを倒すとか、行方不明になった女の子を救うとか、閉じ込められて脱出するとか、まあ、色々あります。

そんな中クトゥルフTRPGをやっていて困ったTRPGならではの問題があります。

 TRPGのシナリオを作ってやってもらう中で結構起こった事態が


「事件の切っ掛けに探索者を参加させれない」


という事です。

例えば導入で「探索者が女の子がさらわれるのを目撃して、それを追いかけようとする。」と言う展開があったとします。

少年漫画やゲームなどでは、よくある展開ですが、クトゥルフでは、自由な行動が出来るので「警察に通報して事情を話す。」こんな展開で物語は、幕を閉じることがあります。

 こういった事態を解決するのがKPとしての役割だとは思いますが、しかし、軌道修正が難しいというのも事実です。

「面倒ごとに関わりたくない」と思っている探索者がいるなら無理矢理にでも物語に組み込んでやるのが正攻法なのです。

そのため、クトゥルフシナリオの定番としてクローズドつまり、閉鎖された世界観のシナリオが重宝されています。

脱出が目的の探索者は、自分のために頑張るしかないという動機を作ってあげる訳ですね。

動機としては、

・仲間があぶない。

・命の危険がある。

・地球がヤバい

みたいなのもありです。

他にもあらかじめ参加する探索者の性格特徴を決めておくというのも手段の1つです。


「探索者は、正義感が強い人物である事が望ましい」


「探索者は、好奇心旺盛な人物である事が望ましい」


こんな感じの項目を付けるだけでシナリオに随分関わりやすくなります。

ただ、あまり制限をつけすぎるとキャラクターに自由度がなくなりますのでご注意を・・・


さて、少し話が脱線しましたが、クトゥルフシナリオでは、クローズド系のシナリオが重宝されています。

私も新しくプレイする予定の方には、最初はクローズド系がお勧めだと思います。

理由としては、情報が限定されているという事です。

KPは、簡単に言ってしまえば、TRPG内のルールです。KPがいると言えばいるし、いないならいない。それぐらい絶対的です。

そのため、キャラクターの存在する世界の情報はKPが管理しなければいけません。

天気・街並み・店・NPC・etc

そして、プレイヤーが行動するたびにその行動に対して情報を提示しなければならないので、膨大な情報を必要とするシティシナリオなどは初心者向けではありません。

クローズドシナリオは、閉鎖空間であるため、情報が閉鎖された空間内だけで整理しやすく、NPCなども最小限にできます。

そういった理由でクローズドシナリオはお勧めです。



慣れてきたら村系のシナリオにすると良いでしょう。結構、交通機関の制限された田舎とか、事故で一時的に帰れなくなったとか、簡単には帰れないシナリオをするのが2番目に簡単だと思います。

街ほど発展していないので町の情報も主要な場所さえおさえていれば、しっかりと話を進められるでしょう。

そして、クローズド系にはない開放感があるので自由度が上がります。

さらに町なのである程度プレイヤーの動きを抑止したりも出来ます。

「スタンガンとか色々欲しい」とか「武器っぽいものない?」とかやたらと戦おうとする子にも「田舎だからねぇ」と話を終わらせることが出来ます。

まあ、不都合があれば理由づけしやすいという事ですね。

なのでKPにも負担が少なく、プレイヤーも自由度が上がるというハイブリッドな感じです。



シティシナリオはぶっちゃけKPの技量にかかってると言っても過言ではないでしょう。

ある程度情報を用意していても、予想外な展開が山ほど出てくるのでその都度、アドリブで対応しなければいけません。

自由度は最高、KPの負担も最大という事ですね。

ただ、予想外な展開が起こりやすいので見てても楽しい感じですね。

それに一番最初の時のような事件に巻き込まれない展開も起こりえます。


さて今までは、どこでと言うのを主体に置いた話をしましたが、次はどういったシナリオにするのかと言う話をしましょうか。

大体、大きく分けると『依頼される』『巻き込まれる』という能動的か受動的かみたいな違いです。

『依頼される』パターンの定番としては、「とある人物が失踪したのでそれを探してほしい」という依頼を受けて事件の真相に気付いていったり、「とある本を探してほしい」と依頼されたりです。

これは、探索者が探偵だとか医者など相談される事が多い職業が話しに組み込みやすいです。

『巻き込まれる』

巻き込まれる展開は非常に多いのですが、命の危険などがあると分かるとすぐに逃げてしまう事がありますので、動機づけや逃げられないという状況を作る事が必須と言えます。

例えば、とある魔導書に刻まれた刻印を見てしまい神話的生物に狙われてしてしまうとかですね。


とまあ、こんな感じでシナリオをどういった方向性にするのかを決めるのが良いと思います。

「いや、これ普通に考えたら帰るだろ。」みたいな状態にしないようにするのも上手いKPだと思います。

出来るだけキャラクターを演じたいプレイヤー(リアルマンというらしい)などは、常識的にありえない行動をするのが嫌いですのでその辺りをきちんとする事をお勧めします。

ただ、あくまでKPが進行役なので、話が進まない場合は、それとなく忠告してあげると良いでしょう。

私が思うTRPGは、楽しく出来れば良いです。結局、クトゥルフTRPGにしろなんにしろ、殺伐とした感じでプレイしたくはないので、あまり縛られすぎずに遊ぶのが良いと思います。

さて、今回はこれぐらいにして次回またお会いしましょう。


御伽 白のクトゥルフシナリオ制作局

クトゥルフ神話TRPGのシナリオを考えたり、シナリオフックを探ってみたりするサイトです。

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